タイトル「2016年度危機管理学部」、フォルダ「2016年度危機管理学部 - 危機管理学部
シラバスの詳細は以下となります。
科目ナンバー   RMGT1401 
科目名   生活安全と法(民事法入門)  
担当教員   永沼 淳子  
対象学年   1年   開講学期   前期  
曜日・時限   火4  
講義室   1501   単位区分   必  
授業形態   講義   単位数  
授業概要・キーワード 私たちの生活は、契約を基本とする経済活動と婚姻から始まる家族関係に大別することができる。経済活動も家族関係も個人と個人の「約束事」から成り立っており、「約束事」を権利と義務で説明するのが民事法学である。民事法の基本が定められているのが民法であり、契約の一方または双方が営利を目的とした企業である場合、民事法特別法の商法が適用される。また、何らかの原因により個人や企業の権利が侵害されたとき、それらの権利は、民事訴訟法等の手続法に従い、裁判所が関与して実現されることになる。本講義は、このような一連の流れを理解したうえで、人・法人・法律行為・意思表示・時効などの民事法の基礎概念を学び、物権や債権といった権利の態様ついての基礎を理解するためのものである。                                                                                                (キーワード)・民事法    ・契約    ・意思表示    ・経済活動と家族関係    ・リーガルマインド      
授業の目的 個人や企業の権利と義務、及びその実現について規律する民事法は、契約者間で起こり得る紛争の類型を想定し、万が一紛争に巻き込まれた場合の解決方法をまとめたものと言える。そうすると、民事法を学ぶことで、日常生活の中にあるトラブルを回避することができるようになり、その解決の道筋が予想できるようになる。本講義は、身近な危機とその解決法の基礎知識を理解することが目的である。  
到達目標 受講生は民事法の基礎概念を理解することで、身近な生活に起こるトラブルを法的思考により判断し、解決方法を提案することができるようになる。また、民事法の基本的知識を修得することにより、2年次以降配当される民事法専門科目の理解に役立つ。  
履修条件 特になし。  
成績評価の方法 以下の方法で総合的に評価する。
リアクションペーパー(3回)  :30%                                                                              
小テスト(5回)  :50%                                                                                                                                                             
授業参加度  :20%  
授業区分
内容
1(概要)ガイダンス
(内容)授業の概要、目的、達成目標、事前準備、授業の進め方とノートのとり方、成績の評価方法について説明を行う。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: なし
復習: 講義ノートを参照し、授業の目的と目標を確認する。
2(概要)契約を結ぶことができる者
(内容)権利と義務の主体であるための資格「権利能力」について、自然人の場合について学ぶ。権利能力の始期と終期、失踪宣告と胎児の例外を確認する。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 胎児に私たちと同じような権利を与える必要はあるか。「必要がある」と考えられる場合と、「必要がない」と考えられる場合を想定し、その理由を簡単にまとめること。※事前準備として、レジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから、権利能力について確認する。  
3(概要)「法人」の働き
(内容)自然人と並び権利・義務の主体と認められる「法人」について、その基礎を学ぶ。法人の種類、法人の根本を定める定款、法人の組織のほかに、特にわが国の経済活動を支える株式会社の特徴について説明する。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 法人の種類にはどのようなものがあるか調べる。※事前準備として、レジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから、株式会社の特徴を確認する。
4(概要)「契約」の成立
(内容)「契約」は、「申込み」と「承諾」の意思表示が合致して成立するが、その内容が不確定な場合や違法な場合は契約の効力が認められない。意思表示、「申込み」と「承諾」、契約の一般的有効要件、無効と取消しについて学び、実社会で活用されている様々な契約の種類について触れる。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 「コンビニでお菓子を買う=売買契約」というように、自分の日常生活がどのような契約によって成り立っているのか、わかる範囲で具体的に書き出す。※事前準備として、レジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから、一般的有効要件、無効と取消しについて見直す。
5(概要)契約社会から保護する者
(内容)私的自治の原則が支配する現代社会では、すべての者が理性的・合理的に判断し行動できる能力を備えていることが前提になっている。しかし、現実の社会には判断能力が不十分な者がいることも事実であり、保護する必要がある。制限行為能力者制度の基礎を理解する。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 判断能力が不十分なことが原因で起こった事件や事故について調べる。※事前準備として、レジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから、制限行為能力者の種類と権利能力・意思能力・行為能力について確認する。   
6(概要)契約と意思表示
(内容)契約は、両当事者の意思表示が合致することで成立する。その意思表示に何らかの問題がある「意思の不存在(心裡留保・虚偽表示・錯誤)」と「瑕疵ある意思表示(詐欺・強迫)」について、それぞれの原則と例外を具体例から学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習) 
予習: 民法93条から96条までを読み、理解する。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておく。
復習: 「意思の不存在」と「瑕疵ある意思表示」の原則と例外を確認する。 
7(概要)時効制度
(内容)一定期間他人の物を占有するとその権利を取得したり(取得時効)、一定期間権利を行使しないとその権利を失ったり(消滅時効)する時効制度について学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習) 
予習: 不道徳とも思える時効制度が認められる理由を考える。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから、取得時効・消滅時効が認められるための要件を確認する。 
8(概要)物権と債権
(内容)物権の持つ排他性・直接性・絶対性という性質を債権と比較しながら理解したうえで、物権法定主義、公示の原則、物権と債権の公示方法、公信の原則について学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 法務省のHPから「不動産登記のABC」部分を読んでおく。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートを読み返し、債権と物権の性質の違いをまとめる。
9(概要)物的担保
(内容)債権を回収する方法として広く社会で利用されている「抵当権」を例に、担保物権全般の基礎知識のほかに、譲渡担保や所有権留保などの非典型担保も紹介する。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 民法369条を読み、理解すること。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから、担保物権の種類と働きについてまとめる。
10(概要)人的担保
(内容)債権を回収する方法として広く社会で利用されている「保証」と「連帯保証」から、ふたつの保証の違いである催告の抗弁権や検索の抗弁権、保証人の求償について学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 民法446条、同452条、同453条、同454条を読み、理解すること。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートから人的担保の意義を確認しまとめる。
11(概要)商法の概要
(内容)商人の営業、商行為その他商事については商法が適用され、商法に定めがない事項については商習慣に従い、商習慣がないときは民法が適用されることを、法定利率などの具体例をあげて学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 商法514条と民法404条を読み、利率に違いがある理由を考える。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。
復習: レジュメと講義ノートを見直し、商法と民法の関係を確認する。
12(概要)裁判による権利の実現
(内容)権利は裁判を通じて実現しなければならず、自力救済は原則として禁止されている。民事訴訟と民事執行の手続きの概要について理解したうえで、一般債権の回収方法と抵当権の実行を例にして、具体的に学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 裁判所のHPから「裁判所手続の案内」の「民事事件」部分を読んでおくこと。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。 
復習: レジュメと講義ノートを読み返し、裁判の働きを確認しまとめる。
13(概要)親と子
(内容)母は子を分娩した女性であり、その女性が婚姻しているときは夫が子の父と推定されるという民法の規定を理解したうえで、生殖補助医療の進歩による代理懐胎の問題など、現代の親子について学ぶ。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 民法772条2項を読み、その存在意義を考える。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておく。
復習: 生殖補助医療が必要とされる背景について考える。
14(概要)相続
(内容)相続が開始し、法定相続人に法定相続分が相続されるという、相続に関する基礎知識を理解したうえで、全血兄弟と半血兄弟の相続分に差があることや、非嫡出子の相続分が嫡出子の二分の一であることが違憲とされた判例を紹介する。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: 民法888条と同890条を読み、法定相続人について理解する。※事前準備としてレジュメをプリントアウトしておくこと。 
復習: 非嫡出子の相続分が嫡出子の二分の一と定められていた規定が違憲とされた判例から、相続法の立法趣旨を理解する。
15(概要)生活安全と法のまとめ
(内容)14回の講義で学んだことを総括し、生活の中に予想される様々な危機とその対応を考察する。
(運営方法)講義
(予・復習)
予習: レジュメと講義ノートの全体を読み直す。
復習: 生活安全と法の講義から、後期の履修科目、2年次のキャリア・領域選択について考える。
関連科目 市民生活と法、民事法Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ  
教科書 毎回レジュメを準備するので、事前にプリントアウトすること。また、小型六法(有斐閣、三省堂など)を持参すること。  
参考書 野村豊弘『民事法入門』(有斐閣)  
オフィスアワー  
領域比率:災害マネジメント 1.0  
領域比率:パブリックセキュリティ 1.0  
領域比率:グローバルセキュリティ 1.0  
領域比率:情報セキュリティ 1.0  
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